神経は抜かない方が、歯が長持ちする?
医院からのお知らせ
25年臨床経験を経て
歯が長持ちする条件の一つが
歯の神経が生きていることだと
日々実感します。
歯の治療とは、
人が生体に手をかけることです。
どんなに神がかったドクターが治療をしても
それは、確実に欠損・傷モノなのです。
風邪をひいて、治った、という概念とは全く別です。
体の構造はとても繊細にできています。
膝を曲げたり、手首を回したり
こんなにスムーズに動く機械を作ろうとしたら
大変なことです。
体の中でも
健康に快適に過ごせるように
ホルモンや酵素や細菌たち
いろんな分泌物のバランスで細やかな調整をしています。
歯の神経も、歯の構造も
実はとても繊細な仕組みでできています。
歯の中の神経は、
根の先端で、体の中と血管神経が繋がって生きています。
とても細かく枝分かれしたり、
横幅が広がったり、細く繋がっていたり。(写真は、神経に墨汁を染み込ませた標本です)
あなたのお口の小さな歯の中で、小さな迷路のようになっている
この神経を、しっかり全部消毒できるか?と問われたら
人間にはできません。
根の治療とは、
余計な雑菌をできるだけ混入させずに
消毒をして封じる作業です。
神経もタンパク質の筋のようなもの、お肉です。
消毒が適当だったり、
雑菌が混入すると
中で腐ります。
臭くなります。
虫歯で神経が死ぬほど大きくなった場合も、
神経は腐ってドロドロに溶けていたりします。
すごい腐敗臭です。
神経を取ってしまうと、中身が生きていないので
雑菌と戦えなくなってしまうどころか、
感染源となって、体に悪影響を及ぼすこともあるのです。
なので、体の癌の治療中に免疫力が落ちるため
癌闘病の前に
神経を抜いた歯=感染源と考えて
抜く必要が出ることもあります。